なくなっている脂肪が少しであれば、
まぁ、筋肉が少し増強されたぶんで相殺されて体重が変わらないのかな、と思えなくはない。
でも、段々腹の段々が見事になくなって別人みたいなお腹になっているのに、
体重が変わらないというのは、正直、不可解ですよね。
生徒さんに聞かれても、
「うーん」と首をひねるばかりで、納得いただけるような説明ができず(>_<)
私もなぜなのかわからないので、これまでの著書にも
「なぜなのか、わからないので、ともかくは体重ではなく見た目やサイズを重視してください〜」と書いてきた次第です。
それが先日、テレビを見ていて、「そーなのかー」と、かなりすっきりしました。
美容整形外科の医師が脂肪吸引について 「5000ccの脂肪を吸引しても、体重は変わらないですよ」と解説していたのです。
「え、5000ccというと、5リットルですよね、それでなんで体重が減らないんですか?」 と、
タレントさんが食い下がっていて、納得のいかないご様子でした。
そのあとの医師の解説は編集されてしまったのか、 なかったのですが、タレントさんが納得いかないのも無理もありません。
リットル、と聞いて、ピンときました。
ようするに、私たちの重さに対するイメージが、
「水分」が基準になっているので感覚的な理解が追い付かないのだと思いました。
私たちにとって、 4リットル、5リットルと聞いたときにイメージするのは飲み物、つまり水分なのですよね。
水1リットルの重みは1キロですから、5リットルというと、どうしても5本ぶんのペットボトルをイメージしてしまいます。
けれど、ものによって比重が違います。
たとえば「乾燥ワカメ」をイメージしてみてください。
50グラムですら、両手にのせられないくらいのボリュームがあります。
かたや、金属の「金」で100グラムというと、 10円玉11枚程度で掌に余裕でおさまります。
いきなり金の延べ棒を持った人が、その重さに驚く様子をテレビで見たことがあるかもしれません。
物質の比重が違えば、そのボリュームが大きく変わる。
理屈ではわかっていても、イメージが追い付かないことは 人の思考回路の「思い込み」や「限界」があるのでしょう。
比重の話は私は以前から知っていたのに、感覚としてどうしても理解できなかったわけです。
脂肪が減っていても体重が減らない問題は、
現実にはさほど大きな問題は生じませんでしたが、 そうでないこともあります。
「思い込み」というのは、「思い込んでいる」という自覚を持ちにくいため、
思いがけないところで、結果的にマイナスに働いてしまう面があるのです。
私が高齢の母と付き合う中で、 元気だったころの母のイメージを拭い去ることができないせいで
本で学んだ知識も腹落ちさせるまでに けっこう時間がかかってしまいました。
そのために母に悲しい思いをさせてしまったという反省があります (>_<)
人はどうしても、それまで見てきたものを基準に考えます。
それは、状況判断に役に立つ反面、固定観念としてとらわれてしまうと
結果的に、マイナスに働くことがあるのですね。
話を戻しますが、
美容整形外科の医師の「脂肪を5000ccとっても体重が変わらない」
という話に私たちの理解が追い付かない。
脂肪がなくなっているのに体重が減らないことに不思議を感じえないのは、
私たちの重さに対する固定観念が邪魔をしている、と言えるのではないでしょうか。
理論は大事ではありますが、
脂肪吸引という現場でのお話を聞けたことで、着地点がみえたというか、個人的にはスッキリ! しました。
あなたはいかがですか?
「常識を疑え」
「固定観念に縛られない」
ということは、よく耳にするようになりましたが、これ、頭で考えるよりも難しい。
けれど、何か問題や疑問と直雌したときには
「思い込みが邪魔をしていないか」
ということを意識して気をつけておいて損はない、そんな風に思います (^-^)