認知症の親の対応 【脳トレをすすめてはいけない】

【参考にしてくださっている方へ】
母の認知症状が始まってからの対応として、後になって「間違いだった!」と気づいたことがあります。
親子関係、兄弟構成、現在の状況など、人によって違っているため、どうしたらよいかの画一的な答えはありませんが、
私が「もっと早く知っていれば」と、私が感じたこと、知ったことをお伝えしていけたらと思っています。
よかったら、参考になさってください。

…………………………………………………………………………………………………

母がいろいろなことを忘れてしまうようになってきた時に、のちに「やらなかけばよかった」と思ったことがあります。

そのうちのひとつが、「脳トレ」のためのドリルや「日記」をつけることをすすめたことです。

 

買っていったものをやっていないとわかると、

「これは間違い探しだからおもしろいんじゃない」などと、また別のものを買っていったりしていました。

 

これ、まさに嫌がらせのような行為でした (>_<)

娘たちとしては、愛情ゆえの行動なのですが、母にとっては、

「娘が自分のことを思って言ってくれている」

「でも、やる気になれない」

「こんな子供みたいなことをしなければいけないほど、私の頭はおかしくなってしまったのだろうか」

答えの出ない葛藤があったようでした。

ありがた迷惑という言葉がありますが、本当に笑えないありがた迷惑だったと思います。

 

若い頃というのは、つらい思いをしても、その思いをプラスに転換できるかもしれません。

けれど、年老いた親にとっては、機能そのものが低下しているのだから、とうてい無理な話なんですね。

 

そもそも、自ら飛び込んだ試練ならまだしも、

できないこと、やる気になれないことをつきつけられて、いやじゃない人なんて一人もいないでしょう。

愛情ゆえであったとしても、

できていたことができなくなっていく過程で、親を子供が「よくしよう」ともがくことは、

不毛を通り越して、マイナスになる可能性が大きいです。

 

つらい思いをさせてしまっただけなら、「ごめんねー」で許してもらいたいところですが、

許す許さないの問題ではなく、それは親の「自己肯定感」を下げることにつながり、

結果的として認知症状や精神状態を悪くする、という流れにつながってしまいます。

ダイエットでも、良かれと思ってがんばったことが逆効果ということがよくありますが、

親を思う気持ちがあだになってしまわないようにどうかお気をつけてください。

認知症でなくても、人は、人から押し付けられることはイヤ、

そんな当たり前のことでもあるように思います。

 

※ 補足
ドリルや日記ですが、自ら買ってきたりと、ご本人が楽しんで行っているのであれば、
話はまったく別で、むしろとてもよいことのように思います。
ダイエットでも、いやいや行っているウォーキングではよい結果は出ず、
楽しんで行っているなら良い結果につながるのと似ているかもしれません。

関連記事

  1. 認知症の親の対応【怒ってはいけない】

  2. 介護の相談ができるサイトの紹介

  3. 認知症の親の対応【間違いを正してはいけない】

  4. デイサービスの向き不向き

  5. 後悔しない介護 いつか自分も介護 するかもされるかも ①

  6. 親の「もう死んでしまいたい」にどう答えるか