デイサービスの向き不向き

デイサービスには、向き不向きがあるかも、というお話です。

私の生徒さんのご主人様で、デイサービスに通うようになってからというもの、見違えるようにお元気になられたとのこと。
サービスを使って本当によかったと喜んでおられました。

 

ただ、ご本人が嫌がっている場合は、強要すると、いろいろ大変というか、難しいかもしれません。
私の母は難しいほうでした。

 

母は、私と同居する前から実家からデイサービスを利用しはじめたのですが、
朝、お迎えのスタッフの方から、母が行きたくないと言っているがどうしますか、という電話が頻繁でした。

 

私と同居するようになってからは、
行きたくないのを説得するのに一時間では足りずに、間に合わなくなるからと着替えを強引に手伝って、
母を怒らせてしまったことも一度や二度ではありませんでした ((+_+))

 

結局、いろいろな理由で施設を何か所も変わりました。
何か所も見学してから見つけてきたデイサービスを移るのは、私泣かせなだけでなく、施設やケアマネさん泣かせでしたが、
7ケ所めで、あまり抵抗せずに出かけてくれるデイサービスがやっと見つかりました。

 

母としては「行きたくない」というのが率直な気持ちだったわけですが、
怖いな、と思ったのは、あるデイサービスに通っていて被害妄想のような症状が出はじめたときでした。
送迎の男性にお金をねだられているとか、お金を渡したとか、です。

 

あっという間に被害妄想はひどくなっていくのがわかったので、
これはまずいとそちらのデイサービスをやめたところ、被害妄想は終息しました。

 

これはあくまで個人的な意見ですが、
生活に多少の不自由はあっても精神的な自立度が高かったり、
家にいてもとりあえずケガや命の危険がない、
そんな親御さんの場合は、嫌がっているのデイサービスを強要するよりは、
宅配のお弁当やヘルパーさんにサポートしてもらうことも考えてみるとよい気がいたします。

 

もちろん、デイサービスを楽しんでくれれば万々歳として、
本当はいやなんだけれども子供から言われていやいや通うというのは、
「年をとってしまったから仕方がない」そんな、おちぶれたような気持にさせてしまうというか、
自尊心や元気を奪ってしまう面があると思います。

 

いやなものはイヤ、それは高齢だからに限らず、大人だって普通にある感情です。
私も母にずいぶんと「どうせ行くなら楽しんできてね」などと押しつけがましいことを言ってしまって後悔しました。

 

これは私の健康運動指導士としての経験なのですが、
どんなに相手のためになると思って言っていることであっても、ご本人が抵抗感のあること、
ましてや拒絶していることをすすめるのはまったくと言っていいほどよい結果にはつながりません。
運動したくないと思っている人に向かって「運動は健康にいいですよ、楽しんでください」なんて言っても
意味がないどころか、いやな気持にさせてしまうだけなのです。

この不愉快な気持ちが、認知症状を悪化させてしまうリスクがあり、ご本人だけでなく、大変になるのは家族です。
ご本人の性格や現在の状況をかんがみて、親御さんのデイサービスを検討するときに参考にしたいただければ幸いです。


デイサービスに行きたくはなくても行ってもらわないと困る、という場合もあるかと思います。
その場合の話はまたお話いたしますね。

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