認知症の親の対応【怒ってはいけない】

【参考にしてくださっている方へ】
母の認知症状が始まってからの対応として、後になって「間違いだった!」と気づいたことがあります。
親子関係、兄弟構成、現在の状況など、人によって違っているため、どうしたらよいかの画一的な答えはありませんが、
私が「もっと早く知っていれば」と、私が感じたこと、知ったことをお伝えしていけたらと思っています。
よかったら、参考になさってください。

母と向かい合ううちに、ひとつ気が付いたことがあります。
それは、認知症状のある親に対して「とにかくしないように気をつけるべき」と肌身に感じたことというのは、
考えてみると、相手が認知症の親に対してに限ったことではなく、誰に対してでも同じことだな、ということです。

 

「怒る」というのも、そのひとつです。
自分がやられていやなことは、他人にしないほうがよいことであり、
それは年をとった親に対してはなおさらであるようです。

 

怒る理由が、親の行動に問題があったり、親のためを思ってのことだったり、
怒るのにどんな正当な理由があったとしても、怒ることは
・自分が疲れる
・親の認知症状を悪化させる
という結果につながります。

 

脳の機能が落ちている親を相手に、話せばわかってくれるというのが大間違いであるように、
「怒る」のは、泣いている赤ちゃんをしかりつけるような行為と同じくらい不毛と思います。

 

相手は親であり、赤ちゃんではないのですが、
この相手が親であるという、当たり前すぎる前提が落とし穴になります。

 

たとえば、相手が非常に不合理な考え方をする上司である場合はどうでしょうか。
相手が上司であれば、「怒り」の感情はセーブするでしょう。
そうやって状況が悪化しないようにしているわけです。

 

ところが、相手が親となると、それまでの親との関係や歴史があり、
そう簡単には、親を赤ちゃんや上司のようにはなかなか思えません。

 

それでも、年をとった親に起きている問題を理解し、
いきなり簡単には切り替えられないとしても、切り替えようとする意思を持てるかどうかが重要な気がします。

 

どんな理由があるにせよ、怒ってばかりいると、怒るるほうだって実はつらいし、
怒られてばかりいれば、健康な人であってもストレスがたまります。
精神的にまいっているときに、怒られ続けたら、それこそもっとつらいでしょう。

 

自分が親の年にならないと、年をとった親の気持ちはわからないし、
もっと言うなら、年をとってからもわからないかもしれません。
けれど、子供に怒られるということは、間違いなく親の自尊心を傷つけるということを
事前に知っておくことがとてもとても大事と思います。

 

認知症、というところまではいかないまでも、
親を怒ってしまうことが以前よりも増えていると感じている人は、
感情的に怒ってしまいそうになった時に、
「その状況をおさめるにはどうしたらよいか」
ということに意識を集中してみてください。

 

そして、それでもやっぱり怒ってしまったときは、
「怒っちゃってごめんね」
その一言で、かなりリカバリーがきくと思います。

関連記事

  1. 介護の相談ができるサイトの紹介

  2. 認知症の親の対応【間違いを正してはいけない】

  3. デイサービスの向き不向き

  4. 後悔しない介護 いつか自分も介護 するかもされるかも ①

  5. 親の「もう死んでしまいたい」にどう答えるか

  6. 認知症の親の対応 【脳トレをすすめてはいけない】